阪急河原町駅から徒歩15分。JR京都駅から徒歩20分程度。
夜になると煌々と輝く「サウナの梅湯」のネオンが目印だ。
廃業寸前の銭湯を、銭湯ファンの若者が引き継いだことが話題になっている梅湯。
ご主人の湊さんは、テレビや雑誌でもたびたび露出しており、普段銭湯に馴染みのがなくても「梅湯は知っている」という人も多いだろう。
事実、梅湯での実験的な試みや、湊さんの情報発信は、閉鎖的になりがちな銭湯業界に新しい流れを生みつつあるようだ。
懐古主義的に扱われやすい銭湯というジャンルの中で、若者文化をも積極的に取り込もうとする梅湯のスタイルは独特だ。
番台や清掃など、銭湯運営にボランティアが積極的に関わっていることも面白い。
梅湯の暖簾をくぐって、まず気を惹かれるのはカウンター式番台と、男女入口間に置かれた物販品の数々。
そこには、梅湯のオリジナルタオルを筆頭に、銭湯関連本、岩波文庫などの書籍。妖怪手ぬぐい、ミニドライフラワーなどの雑貨品が並び、その一角は銭湯というよりも町屋の雑貨店のようだ。
女湯入口横のオープンスペースには、REIKIのマッサージサービスが営業されている。
脱衣所は籐籠と脱衣ロッカーがある標準的な京都式だが、壁に天女の直筆画が飾られている。
また、ドライヤー無料、綿棒、ティッシュのアメニティ、女性側にはメイク落としまであるという気遣いは、元々が銭湯ファンだったご主人ならではだろう。
浴室内には、屋号ともなっているサウナ(遠赤)を始め、水風呂、深浴槽、浅浴槽、電気風呂、薬湯と、ゆったりと過ごせる設備が揃っている。
屋号にもなっているサウナは無料(京都では基本的にサウナが無料だ)。
8人程度が入れるほどのスペースが確保されており、非常に気持ちのよい熱さだ。
サウナ室内には、ウェスタン調のような軽妙なポップスが流れているのだが、意外にもこれが、サウナで過ごすのにはぴったりと来るから不思議だ。
深浴槽には小さな噴水がある他、男湯は、水風呂にかかる橋(窯場と浴室を渡している)、女湯は壁一面にあるアーチ型の巨大鏡がトレードマークだ。
場所柄、外国人観光客も多く訪れるらしく、大きく示された英語の注意書きも目を惹く。さらに深浴槽の壁面などに張り出されている手製の「梅湯新聞」は、入浴客とのコミュニケーションツールとなっているのだろう。
梅湯は、その話題性だけではなく、純粋に「気持ちの良い銭湯」としてもおすすめできる。
主要駅からも徒歩圏内にあり、観光コースの一つとして押さえておきたい銭湯だ。
ポイント
・気持ちがよく、じっくりと入ることが出来るサウナ
・過不足のない湯種と、清潔に保たれた浴室。
・既存の銭湯とはひと味違うムード
設備
サウナ(遠赤)
水風呂
深浴槽(噴水つき)
浅浴槽
電気風呂
薬湯
ギャラリー
地図
〒600-8115 京都府京都市 下京区岩滝町175